Abstracts


23回京都賞 ワークショップ・基礎科学部門

シンポジウム「巨大地震学からリアルタイム地震学へ」

京都   1112

 

講演

地震災害に関する大学-政府計画 カリフォルニア工科大学と米国地質調査所の協力

James Jiro Mori

 

 カリフォルニ ア工科大学(Caltech)と米国地質調査所(USGS)はこ の30年余り、

南カリフォルニアで緊密に協力しあってきた。この二つの組織は共同で南カリフォ

ルニアの地震観測網を運営し、研究も協力して行っている。両者による最新の観測

機器の配置は、南カリフォルニアを世界 でも最も信頼できる地震データが得られる

場所にした。また、地震防災情報を地域に提供する点でも両者は緊密な協力関係に

ある。ひとたびカリフォルニアで強い地震が起きると、住民もニュース・メディア

も最新の情報を求めてCaltechUSGSに注目する。

 1990年、初めてのリアルタイム地震情報システムがCUBE (Caltech-USGS

Broadcast of Earthquakes)によって南カリフォルニアに設立された。この先駆的な

プロジェクトは当時の最新のコミュニ ケーション技術と改良された地震観測網を

合体させたもので、地震の直後にその地震情報を提供する。このシステムは地震学

者と情報利用者双方の協力でさらに開発と改善が続けられている。ロサンゼルス地

域に大被害をもたらした1994年のノースリッジ地震では、このシステムが電気、ガ

スなど公共事業会社に貴重な情報を提供する助けとなった。

 しっかりした政府機関の信頼性と有力私立大学の自由なやり方をうまく合 わせる

ことによって、パサデナにおけるこの建設的なパートナーシップが作り上げられた。

協力関係を作るに当たって多大な貢献をしたのが金森博雄博士である。

 

 

 

日本地震学会 2007年度 秋季大会

仙台  102426

 

C21 -03 2004年新潟県中越地震と2007年能登半島地震の直後の余震

Jim Mori・加納靖之(京大防災研)・Bogdan Enescu GFZ, GER

 

C21-05  Ultra-micro seismic event in the Yamasaki fault observed using hydrophone array     

加納靖之 ・Jim Mori・柳谷俊(京大防災研)E伊藤久男(JAMSTEC)・桑原保人(産総研)

 

D31-06 2007年ソロモン諸島地震

朴舜千(京大次世代)・モリ・ジェームズ・ジロウ(京大防災研)

 

P2-077 稍深発地震の特徴的周波数・最大速度振幅・モーメン トマグニチュードと距離減衰の関係

西辻陽平・Jim MORI(京大防災研)

 

P3-015  Attenuation structure in the source region of the low-frequency earthquakes in the Bungo channel and Shikoku area, Japan

Andri Dian NUGRAHAJim MORIDPRI

 

P3-035  The Foreshock and Aftershock Sequences of the Kuril Islands Earthquakes in 2006 and 2007

乘松君衣・モリ・ジェームズ(京大防災研)

 

P3-047  Distribution of Dynamic and Static Stress Drops during the 2002 Eastern Tottori Earthquake

日浦一・James MORI(京大防災研)

 

 

日本地球惑星科学連合 2007年大会

幕張  51924

 

S143-010

世界の沈み込み帯でみられる微動と低周波地震

Worldwide Observations for Continuous Tremor and Low-Frequency Events in Subduction Zones

Mori James ・ Brodsky Emily E

 

 

D203-005

ジャワ島泥噴出:PALSAR データを用いたSAR 干渉解析と境界要素モデリング

Mud eruption in Java Island: SAR interferometric analysis of PALSAR data and boundary element modeling

福島洋・ Mori James・ 橋本学・ 加納靖之

 

2006 5 29 日,インドネシア・ジャワ島東部における天然ガス採掘現場から,ガスや水を含む多量の泥の噴出が始

まった.2006 11 月の段階で0.012 立方キロメートルを超えるという,かなり大規模 な量の泥がすでに噴出しており,

この活動は2007 2 月現在も継続中である.この噴出によって13 名の死者が出たほか,13,000 人以上の住民が避難生

活を強いられており,活動状況の把握と予測が急務になっている.

 2006 1 月に打ち上げられたALOS 衛星に搭載された合成開口レーダー(SARPALSAR により,この泥噴出現場

の撮像が何度かおこなわれた.本研究では,これらの衛星データを用い,速報的な解析をおこなった.具体的には,1

SAR 干渉処理により泥噴出に伴う地盤沈下を計測し,2)境界要素法とモンテカルロ・インバージョン法を組み合わせた

手法を用い,計測データを定量的に説明するモデルを探索した.

 噴出開始の10 日前である2006 5 19 日と2006 10 4 日のSAR 画像ペアを用いた結果,南北4 km ×東西3

km の領域で,ほぼ噴出口を中心とした同心楕円状の干渉縞が得られた(図左.色の赤→青→黄の 1サイクルは,衛星と

の距離が11.8 cm 長くなることを示している.矢印は衛星視線方向の水平成分.入射角は約41.5 度.).泥水で満たされ

ている噴出口を囲む直径1.5 km 程度の領域の外側で7サイクルの色の変動が確認できるので,四ヵ月半の間に衛星から

遠ざかる方向に少なくとも80 cm の変位があったことになる.

 モデル探索では,まず,過剰圧の減少に伴って収縮する,南北に長軸をもつ水平楕円形の割れ目を変動源として仮定

した.変動源の水平位置と深さ・長軸と短軸の長さ,過剰圧をモデルパラメタとしてインバージョンをおこなったとこ

ろ,噴出口近傍を中心とし,長軸2.8 km,短軸1.5 km,深ウ0.36 km のモデル(図中黒破線)が観測データを最もよく

説明した(図中).なお,残差(図右)の二乗和は観測データの7 パーセントであった.次に,上で仮定したモデルに厚

みをもたせたような楕円体を変動源として仮定した.同様にインバージョンをおこなったところ,上端が地下約0.1 km

下端が地下約1 km のモデルが観測データを最もよく説明した(残差二乗和は観測データの5 パーセント).

 ガスの掘削が地下3 km 近くに達したときに噴出が起こったことから,噴出をトリガーした物質はこの深さから上昇

してきたことが示唆される.一方,本解析結果は,地盤沈下を引き起こしている変動源は地下数百メートルに存在して

いることを示唆している.Davies et al. (2007, GSA Today, 17, 4-9) は,検層データから得られる地質学的な情報などから,

深部から来る流体が浅部の泥を取り込みながら上昇し噴出していると結論付けており,本研究から得られる結果と調和

的である.今後,より精密なSAR 干 渉解析・より現実的なモデルの検討と,それらに基づいた噴出活動と災害リスクの

予測をおこなう予定である.

 

S143-P009

The foreshock sequence and source process of the 2002 Eastern Tottori Earthquake

日浦一・ Mori James

 

S143-P010

The source parameters of intermediate-depth earthquakes in the Pacific slab beneath Japan

西辻陽平・ Mori James

 

S144-P012

Determining the Location of the Fault Plane for the Nankai Subduction Zone

Enescu BogdanMori James

 

S151-005

日本周辺で発生した深発大地震の破壊伝播速度

Rupture Velocities of Large Deep-Focus Earthquakes Surrounding Japan

 朴舜千・ Mori James

 

S229-P001

Source Region of the Low-frequency Earthquakes revealed by Tomographic Imaging

Andri Nugraha James Mori

 

T154-P003

深部掘削孔における高分解能温度検層データの処理・解析法の研究

Methods for analysis of high resolution temperature logs in deep boreholes

加納靖之・松林修・伊藤久男・ Mori James

 

 

Y239-P006

ジャワ島泥噴出に伴う地盤沈下と噴出モデル

Measurement of the land subsidence associated with a mud eruption in the Java Island and the eruption model

福島洋・Mori James・ 橋本学・ 加納靖之[4]

 

2006 5 29 日,インドネシア・ジャワ島東部における天然ガス採掘現場から,ガスや水を含む多量の泥の噴出が始

まった.2006 11 月の段階で0.012 立方キロメートルを超えるという,かなり大規模な量の泥がすでに噴出しており,

この活動は2007 2 月現在も継続中である.この噴出によって13 名の死者が出たほか,13,000 人以上の住民が避難生

活を強いられており,活動状況の把握と予測が急務になっている.

 2006 1 月に打ち上げられたALOS 衛星に搭載された合 成開口レーダー(SARPALSAR により,この泥噴出現

場の撮像が何度かおこなわれた.噴出開始の10 日前である2006 5 19 日と2006 10 4 日のSAR 衛星画像を用

いてSAR 干渉解析をおこなった結果,南北4 km ×東西3 km の領域で,ほぼ噴出口を中心とした地盤沈下に調和的な変

動が観測された.データは,泥水で満たされている噴出口を囲む直径1.5 km 程度の領域の外側で,少なくとも80 cm

変位があったことを示している.

次に,境界要素法とモンテカルロ・インバージョン法を組み合わせた手法を用い,計測データを定量的に説明するモ

デルを探索した.仮定としては,まず,過剰圧の減少に伴って収縮する,南北に長軸をもつ水平楕円形の割れ目を変動

源として仮定した.変動源の水平位置と深さ・長軸と短軸の長さ,過剰圧をモデルパラメタとしてインバージョンをお

こなったところ,噴出口近傍を中心とし,長軸2.8 km,短軸1.5 km,深さ0 .36 km のモデルが観測データを最もよく説

明した.なお,残差の二乗和は観測データの7 パーセントであった.次に,上で仮定したモデルに厚みをもたせたよう

な楕円体を変動源として仮定した.同様にインバージョンをおこなったところ,上端が地下約0.1 km,下端が地下約1

km のモデルが観測データを最もよく説明した(残差二乗和は観測データの5 パーセント).

 ガスの掘削が地下3 km 近くに達したときに噴出が起こったことから,噴出をトリガーした物質はこの深さから上昇

してきたことが示唆される.一方,本解析結果は,地盤沈下を引き起こしている変動源は地下数百メートルに存在して

いることを示唆している.Davies et al. (2007, GSA Today, 17, 4-9) は,検層データから得られる地質学的な情報などから,

深部から来る流体が浅部の泥を取り込みながら上昇し噴出していると結論付けており,本研究から得られる結果は彼ら

のモデルを支持している.ただし,境界要素モデルによって推定される地下の体積変化は,噴 出した泥の体積と同程度

である.このことは,Davies et al. (2007) で可能性が指摘されているようなカルデラ型の崩落は起こる可能性が低いこと

を示唆している.今後,より精密なSAR 干渉解析・より現実的なモデルの検討と,それらに基づいた噴出活動と災害リ

スクの予測をおこなう予定である.

 

 

 


  

Japanese Abstracts

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2005 Abstracts

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