English / 日本語

2011年クライストチャーチ地震の強震記録

震度換算値

図1:2010年9月の地震の震度換算値を示しています。震源近傍では6強相当を記録していますが、クライストチャーチ市内ではそれほど大きくはなく、震度5弱〜震度5強相当、一部で震度6弱相当を観測しています。

図2:2011年2月の地震の震度換算値を示しています。震源はクライストチャーチ市内南部で、最大震度はヒースコートバレー小学校、レストヘイブン、及びページズ通りポンプステーションで6強相当を観測しています。

観測された強震波形

図3:観測された最大速度は100カイン程度です。これは、兵庫県南部地震や中越沖地震の最大速度とほぼ同程度になります。 振幅の大きい1-2秒ほどの周期をもつパルス性地震動が観測されています。このパルス性地震動は構造物に大きな被害をもたらす可能性があります。 (Ver.1の図はこちら)

図4:図3の強震記録の加速度応答スペクトル(減衰5%)。

上下非対称の加速度波形

図5:上下方向の加速度波形。岩手宮城内陸地震で観測された上下非対称の波形と同様の波形が観測されています。上下非対称の波形は、地中に発生したクラックが閉じるとき、あるいは離れていた物体が接触するときに生じる衝撃によって生成されると考えられています(Yamada et al., 2009, SRL)。 (Ver.1の図はこちら)

図6:図5のうち3秒間を拡大したものです。赤い部分は振幅が大きくて幅が狭く、青い部分は振幅が小さくて幅が広いことが分かります。 (Ver.1の図はこちら)

歴史的建造物

写真:クライストチャーチにある歴史的建造物の写真。大きな被害を受けたことが報道されています。


謝辞:観測波形は GNS Scienceの強震記録、防災科学技術研究所の強震記録、JRの強震記録を使用しました。

参考:
- Yamada, M., J. Mori, and T. Heaton (2009). The Slapdown Phase in High Acceleration Records of Large Earthquakes. Seismological Research Letters, No.80-4, pp. 559-564.
- 防災研究所 後藤浩之助教による報告

文責:山田真澄, Jim Mori(次世代開拓研究ユニット・防災研究所地震防災研究部門)