地震波を聞いてみよう

音楽を聴くとき、音には色々な周波数の波や音符が含まれています。同じように、地震を感じる時には、私たちは色々な周波数の波を感じるのです。ただ、音符とは違って、地震の波は一つ一つははっきりしていません。私たちが地震を感じる時、「カタカタ揺れた」とか、「グラグラ揺れた」と言うことがあると思います。「カタカタ」という揺れ方は周波数が高い揺れで、「グラグラ」という揺れ方は周波数の低い揺れ方です。私たちが地震の時に感じる揺れは、地震そのものによる揺れと、震源からの距離と、地震を感じる場所の地盤の種類によって変わってきます。これを学ぶために、地震の揺れを音に変換して、聞いてみましょう。

スピーカーが音を出すときは、スピーカーは振動しています。地震の時は、地面が振動して、地震計によってその振動が記録されます。地震の振動を音に変換するためには、スピーカーは地面と同じように振動しなければなりません。しかし、もし全く同じようにスピーカーを振動させたら、その音は低すぎて人間の耳には聞こえません。ですから、スピーカーの振動を実際の地面の振動よりもずっと早くすれば、聞くことができます。

地震記録は、1秒間に100サンプル(100Hz)の間隔で記録されています。この地震記録を音声ファイルに変換する時に、8000Hzで再生するようにしました。つまり、地震記録を80倍速く再生することによって、人間の耳に聞こえるようにしました。80倍速く再生するようにしたので、地震記録の長さは80分の1に短くなっています。ですから、ここで聞こえる音は実際の地震の揺れよりもずっと短くなっています。ここでは、80倍速くしたファイル(8000Hz)と20倍速くしたファイル(2000Hz)を作成しました。音の違いを聴き比べてみましょう。 (音声の試聴にはQuickTimeが必要です。)

USGS Listening to Earthquakes を翻訳・加筆
音声波形ファイル
一関西観測点(IWTH25) UD成分
- 2008年6月14日岩手・宮城内陸地震(2008 Iwate)
- Mw6.9, 震央距離3km

地表(2000Hz)
地中(2000Hz)
地表(8000Hz)
地中(8000Hz)




綿竹観測点(MZQ) EW成分
- 2008年5月12日四川地震(2008 Wenchuan)
- Mw7.9, 震央距離91km

地表(2000Hz)
地表(8000Hz)




JR鷹取観測点(TAT) EW成分
- 1995年1月17日兵庫県南部地震(1995 Kobe)
- Mw6.9, 震央距離11km

地表(2000Hz)
地表(8000Hz)




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