東北地方太平洋沖地震被害調査速報
栗原市瀬峰総合支所(4/16)
震度計は建物前面の右側にある。
支所の建物にはコンクリートのひび割れや落下などの被害が確認できた。
周辺では盛土の変状。住家には目立った被害は確認できなかった。
長沼の周辺では屋根瓦の落下やブロック塀の倒壊などの被害が見られる。
登米市迫町佐沼(4/16)
登米市の中でも特に全壊建物が多くみられる地域である。
地盤変状や基礎の被害も多く確認できる。錦橋では橋げたが40cmほどずれている。
住民によれば、10年ほど前の地震(2003年宮城県北部地震か?)でも、同じ地域で全壊被害が発生したらしい。
武村(2005, 歴史地震)によれば、1900年宮城県北部地震では大破25棟、1967年宮城県北部地震では錦橋西詰めで大地割れが発生したとのことである。
栗原市築館(K-NET MYG004)(4/17)
3月11日の地震で震度7を観測した。
観測点は栗原文化会館の駐車場上の藪の中にあり、周辺の住宅に深刻な被害は見られなかった。
築館の町内では、屋根瓦の落下やブロック塀の倒壊、外壁の一部落下などの被害を確認したが、構造に生じた深刻な被害は確認できなかった。
4月1日に行った被害調査と比較すると、軽微な被害は増加していた。
栗原市志波姫総合支所(4/17)
震度計は建物前面の左側にある。
4月1日の被害調査との比較により、
4月7日の余震で支所が大きな被害を受けたと推察され、17日現在では、支所は裏手の姫プラザへ移動していた。
支所のRC柱が劣化し深刻な被害を生じている。
周辺には古くなった納屋の倒壊や屋根瓦の落下などの被害が確認できた。
栗原市若柳総合支所(4/17)
震度計は建物裏側にある。
支所の建物基礎周辺で深刻な地盤変状が発生していた。
周辺の道路でもマンホールの浮きあがりや地盤変状が見られた。
構造への深刻な被害は確認できなかった。
栗原市高清水総合支所(4/17)
震度計は支所の建物裏側にある。
支所の建物は構造に深刻な被害を生じ、RCの柱が劣化していた。
住民の話によれば、4月7日の余震で大きな被害を受けたそうである。
隣の蔵も大破していた。
周辺ではブロック塀の倒壊や盛土の崩落などの被害が見られた。
登米市役所(迫町)(4/18)
震度計は保険センターの前庭にある。
市役所の建物は耐震補強がされている。
周辺に目立った被害は確認できなかった。
登米市南方(4/18)
震度計は支所の西側の、電気設備が入った柵の内側にある。
支所は新しく目立った被害はない。歩道のブロックの一部が崩れた程度。
周辺に目立った被害は確認できなかった。
南方から田尻に向かう県道1号線沿いには、地盤変状や基礎の被害、屋根瓦の落下、ブロック塀の被害が見られた。
大崎市田尻(4/18)
震度計は支所の建物裏側にある。
支所は全体的に西側へずれたようで、建物西側の基礎が大きく壊れている。
周辺では外壁の崩落や基礎の被害が見られ、古い建物の一部は倒壊していた。
田尻南部の平針地区では、建物の倒壊などの深刻な被害も見られる。墓石の転倒率は70%ほど。江合川の堤防が大きく壊れていた。
大崎市古川(JMA、K-NET MYG006)(4/18)
気象庁の観測点は三日町公園の中にある。周辺では大破した建物が目立つ。特に気象庁観測点から、古川駅にかけてのエリアで建物被害が多いようである。
駅前では液状化で2%ほど傾斜している建物もあった。
1kmほど北東のK-NET観測点(古川消防署)のあたりでは建物被害は目立たない。
登米市中田(みやぎ北上商工会館・JMA)(4/19)
みやぎ北上商工会館の駐車場に気象庁の観測点がある。
周辺では、屋根瓦の落下やブロック塀の被害が見られたが、構造に深刻な影響を生じるような被害は確認できなかった。
仙台市宮城野区(K-NET MYG013)(4/19)
宮城野消防署の奥にK-NETの観測点がある。消防署の駐車場では地盤変状が激しく、仮補修されていた。
建物被害の大きかった卸町の状況を確認した。RC建物の柱の破壊や、低層建物の倒壊など、構造に深刻な被害をもたらした建物も見られた。
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