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2008年中国四川地震(Mw7.9)による動的トリガリング


第177回地震予知連絡会資料

(以下の内容を1枚の資料にまとめたものです)

観測点
  • 四国西部の■TSA(F-net), ◆KWBH(Hi-net)
  • 愛知県(東海)の■NAA(F-net), ◆NUKH(Hi-net)

F-netは広帯域の地震計の記録網で、Hi-netは短周期の地震計の記録網なので、
以下に表示する波形は、F-netは長周期(0.01-1Hz)、Hi-netは短周期(2Hz以上)。

Inset mapに四川地震の震央を示している。



四国西部
TSA(0.01-1Hz)とKWBH(2-16Hz)の3成分の記録。

横軸の時間軸は、5月12日15:30から1700秒間を示す。
(TSAとKWABではラベルが違うが、同じ時間帯)


TSA (F-net), 0.01-1 Hz
Rayleigh wave:東西成分(図上)、上下成分(図下)に顕著なピークを持つ波群
Love wave:南北成分(図中)に顕著なピークを持つ波群(ピークの約200秒前にはS波が見えている)


KWBH (Hi-net), 2-16 Hzの3成分(上から、東西、南北、上下)。
紡錘状に見えるのは高周波成分を伴うP波。
の所に微動が誘発されている。
その約200秒前から見えている波形は?(次の図で赤く示した時間帯を拡大して解説)

上の図で、時間領域が赤い部分、300秒間を下に示す。

前3/4が上の図の説明で"?"とした部分だが、約5秒に卓越周期を持つLg波と思われる。
後ろ1/4が、上の図でとしたところだが、3つほどの微動群が周期的に発生している様子が分かる。


さらに東西成分だけで、誘発が顕著だった200秒間について、TSA(0.01-1Hz)とKWBH(4-16Hz)の波形を並べて比較してみると、

TSA(0.01-1Hz)

Rayleigh波
最大振幅〜1cm/s

KWBH(4-16Hz)

最大振幅は上の図の約1/20000

Rayleigh波の震幅が大きいところで、しかもその周期(約15秒)に合わせるように微動震幅が変化している。 これは、これまでに発見した低周波微動の動的トリガリングと同じ様相を示している。
(例: 2003年十勝沖地震、2004年スマトラ地震 本文一番下の参考文献参照)

発生メカニズムやこれの意味するところについては、第177回地震予知連絡会資料や参考文献参照。



愛知県(東海) ここも低周波微動の誘発がよく確認される場所
NAA(0.01-1Hz)とNUKH(2-16Hz)の3成分の記録。


の所にイベントが誘発?されている。

赤色で示した時間域を拡大すると・・・


1番目のイベントは明らかに地震、2番目のは他の観測点でも地震か微動かの区別付かないが多分地震。
いずれも震幅の大きな表面波が通過中に発生している。
誘発イベントかどうかは判断できないが、可能性はある。


参考文献
  • Miyazawa, M. and E. E. Brodsky (2008), Deep low-frequency tremor that correlates with passing surface waves, J. Ggeophys. Res., 113, B01307, doi:10.1029/2006JB004890.
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  • Miyazawa, M. and J. Mori (2006), Evidence suggesting fluid flow beneath Japan due to periodic seismic triggering from the 2004 Sumatra-Andaman earthquake, Geophys. Res. Lett., 33, L05303, doi:10.1029/2005GL025087.
    
    
    
  • Miyazawa, M. and J. Mori (2005), Detection of triggered deep low-frequency events from the 2003 Tokachi-oki earthquake, Geophys. Res. Lett., 32, L10307, doi:10.1029/2005GL022539.

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