九州の地熱地域において、約50〜200mの短い観測点間隔で、AMT探査を83ケ所で実施し、深さ約1kmまでの3次元地下比抵抗構造を詳細に推定した。ここでは観測データの歪み(Static Shift)を補正する新たな手法を開発し、AMTデータに適用した。その結果、調査地域に分布する活断層の両側で比抵抗値に明瞭な差異があることや、断層沿いの比抵抗分布が一様でないが認められた。前者の比抵抗の急変は、活断層での天水の下降に起因し、後者は熱水の上昇経路が断層沿いに一様でないことを示唆すると推察された。