2021年4〜7月にかけて、宮崎県えびの高原の霧島・硫黄山西火口で、間欠的熱水噴出現象が確認された。その周期は14-70時間である。我々は、火口近傍において温度計・カメラ・地震計・空振計・地電位計・傾斜計による観測を行い、熱水噴出のメカニズム推定を目指した。観測データの中でも、特に地電位データには熱水噴出のおよそ2時間前に顕著な変動がみられた。この変動は流動電位の発生によるものと考えられ、熱水噴出前に噴気孔方向に大量の地下水が移動したと解釈できる。今回の研究では、熱水噴出前に生じる地下水の移動が間欠的な熱水噴出と関係していることが示唆された。