鉱物資源の研究では有用な鉱体の分布を示す鉱床モデルが作成されることが多い。熱水鉱床や斑岩銅鉱床などの鉱床モデルでは、地質・地化学の観点から熱水系や熱水変質の概念図が示され、地下深部からの熱水と岩石や地下水との反応による変質の進展や鉱床の生成に関する知見が表現されている。近年、マグマ−熱水系モデルの理解にMT法による比抵抗構造が参照され、定性的なモデルに深度情報を加える例が増えている。したがって、定量的な鉱床モデルを作成できるような精密な比抵抗構造を求めることができれば、より実用的な鉱物資源探査が可能になると考えられる。そのような考えから、現在、鉱物資源調査に適用する電気・電磁探査技術の高度化を目指した研究を進めている。ここでは、鹿児島県南薩地域で実施した最近の電磁探査の結果を例に、鉱床探査に適用するAMTやSQUITEM法などの電磁探査技術について紹介する。