地熱地域における物理探査による地下の比抵抗構造の取得は、断裂系や粘土鉱物の分布などと低比抵抗帯が関連すると考えられ、様々なスケールでの物理探査が世界的に行われてきた。一方で、低比抵抗異常帯は必ずしもこれらの構造を意味するわけではなく、過去の熱水活動で沈殿した硫化鉱物を反映している可能性がある。本発表では、長野県御嶽山南麓において実施された複数の掘削調査により取得されたコア試料の複素比抵抗特性について紹介する。これらのコア試料は一般に粘土や亀裂に乏しい一方で脈状の硫化鉱物を含み、高い導電性と強いIP効果を示した。