最上トラフ酒田沖には、南東側麓部の逆断層に沿って紡錘形を成す酒田海丘(仮称)頂部の海底下浅部に、表層型メタンハイドレート(MH)の賦存が知られている。しかしそれらの分布や、海底面下に隠れるガスだまりの規模、ガス上昇ルートや海底下におけるMH形成環境等未だ不明な点が多く、MH分布あるいは総量の推定を妨げている。本研究では、海底下構造を見通す地震波探査記録と、海底下の物質分布を可視化する比抵抗構造に、海底面から海底下ごく表層までを高分解能で見る音波探査記録を統合して、海底下の表層型MH分布を読み取ろうとする産総研の試みを紹介する。本研究は、経済産業省のメタンハイドレート研究開発事業の一部として実施した。