本講演では、九州地方のGNSSデータの解析に基づく地殻変動の特徴を述べる。 2005-2009年の最大剪断ひずみ速度は、大分から阿蘇、熊本にかけて帯状に速度の大きな領域が分布し、熊本地震やその誘発地震はこのひずみ集中帯で発生した。地殻変動をブロック断層モデルでモデル化すると、このひずみ集中帯は中央構造線の西延長にあたり、主に右横ずれ運動をしていると推定された。この運動方向は、熊本地震の発震機構とも概ね調和的である。