本研究では、不均質表層の影響を受けたMT 応答関数に3次元MT 法インバージョンを適用した場合、実際の構造とは異なるモデルが解として推定される問題に着目した。まず、不均質な表層を含むいくつかの比抵抗モデルよりMT応答関数を計算することにより、不均質表層がMT応答関数に対し与える効果を数値計算で再現できる事を確認した。つぎに、不均質表層の影響を受けたMT応答関数に3次元MT法インバージョンを適用すると、表層の不均質が深部構造に対して影響を与え、実際の構造とは異なるモデルを解として推定する事が確認された。本研究ではWSINV3DMT(Siripunvaraporn et al., 2005) を基に、不均質表層の影響を表層のモデルによって再現する手法を開発した。