2011 年3 月11 日に発生した東北地方太平洋沖地震では津波のみならず地震波および津波起源の離圏変動(Kakinami et al., submitted to Geophys. Res. Lett., 2012) が生じた。 本研究では、これらの電離圏変動が日本全国とロシアの観測点で得られた地磁気データにどのように影響を与えたか述べる。 本研究の解析において、震央から600km以上遠方にある観測点ではレイリー波起源と思われる地磁気変動が見られた。一方、震源から600km以内にある観測点ではレイリー波起源の変動に加え、津波起因の音波および重力波が電離圏E領域に伝搬し電離圏ダイナモにより地磁気変動を生じさせていると推察される。