鹿児島県にある薩摩硫黄島硫黄岳は活発な噴気活動を長期にわたり継続している典型的なオープンベントの火山である。マグマの脱ガス深度は浅く、海水準ぐらいにあると考えられている。 脱ガスした火山ガスの大部分は山頂火口から放出されるが、その一部は凝縮し、山体を流下することによって、海岸線から温泉として流出している。 地表面温度分布および火山ガス放出量のデータをもとに、熱水系のシミュレーションを実施し、火山島の熱水系モデルを求めた。 発表では、それらの結果を示すとともに、そのようにして得られたモデルは、自然電位の測定結果と矛盾しないか検討したい。また、本年11月にAMT法による電磁探査を実施したので、その概略も報告する予定である。