平成20年度に阿蘇火山で行われた集中観測の一環として、阿蘇カルデラを横断 する測線で広帯域MT観測を行った。阿蘇カルデラではこれまで、中央火口丘西 側を横断する2本の測線で広帯域MT観測が行われている(高倉ほか,2000)。その 結果から山体直下に低比抵抗域が存在し、その深度が中央火口丘東側に向かい 浅くなる傾向が見出されている。今回の観測では、この低比抵抗域が現在最も 活動的な中岳火口直下及び、さらに東側でどのような分布を示すかを明らかに し、現在の阿蘇火山の活動状況(西側で地熱活動卓越、東側中岳火口で噴火活動 が生じる)の解明を目指す。