これまで、九州地域で実施されたNetwork-MT法観測によって得られたデータを 利用し、データ解析手法に関し改良を加えた再解析を行ってきた。その中で、 広域かつ面的な構造情報をもつNetwork-MTデータの利点を活かした3次元比抵 抗モデリングを目指して、先ず、2次元比抵抗モデル断面による広域比抵抗構 造の特徴を捉えることを行った。しかしながら、現状の2次元解析の過程では、 数km〜数10kmの長基線電位差観測で得られたNetwork-MT観測の電場変動データ を、通常のMT観測(電位差観測は数10mのスパンで行う)の場合のように、ある 1点におしつけてインバージョンを行うため長基線電位差データの情報を上手く 反映させることが出来ていないという課題が挙がってきた。そこで、この点を 考慮するため、インバージョンプログラムに改良を加えた。そして、いくつか の2次元比抵抗モデルから、九州全域にわたる広域的な地下の比抵抗構造を推 定した。