プロフィール

モリ・ジェームズ・ジロウ
 

       京都大学 防災研究所 地震防災研究部門 教授

       研究室所在地:  〒611-0011京都府宇治市五ケ庄  (防災研究所本館 S-314D号室)
       電話       :  0774-38-4205
       Fax             :  0774-38-4215

       生 年 月 日   :  1956年4月22日

学歴
       1978年  米国オハイオ州 オべリンカレッジ 卒業
       1980年    ニューヨーク市 コロンビア大学修士課程 修了
       1984年    コロンビア大学博士号(Ph. D) 取得
 
 

研究歴
 

1978-1984 

コロンビア大学 ラモント地質研究所(現ラモント地球研究所)の大学院生として中規模および大規模な地震地帯の地盤沈下の基礎研 究震源過程の研 究に携わる。応力降下を決定するさまざまな手法を調査するとともに、強振動を推定する重要性についても研究。夏季には、アラスカ湾、アラスカ州南西部 シューマギン諸島にて、強震観測機器の設置・管理に携わるなかで、地震と地殻変形の観測ネットワークの一環としてフィールド調査を実施。


1982-1984

フルブライト奨学生として東京大学地震研究所に留学。日本における大規模な地震について基礎研究。大地震の際の高周波数特性を決 定するために、短期の実態波を利用。断層の滑り分布に対し、地域的なレイリー波を逆転させる方法を開発。
1984  
コロンビア大学 ラモント地質研究所 研究助手。アラスカで収集した強震データの編集に取り組む。 


1984-1988 

パプアニューギニア地質研究所 ラバウル火山観測所勤務。5人の研究チームの一員として、パプアニューギニアにおける火山の危険性を同政府と地方自治体に勧告。ラバウル・カルデラの噴火 の可能性についての予測を地震学的手法から解釈。また、Bagana、Ulawun、Manamの各火山の噴火中に助言・勧告をする。ラバウル・カルデラ ほか6ヵ所の活火山の観測所から集めた地震データの解析のため5人のスタッフを監督指揮。マグニチュード7相当の2つの地震の余震の研究のために小スパン のアレイ観測を実施。LangilaおよびManam火山の噴火活動中に地震観測機器を設置。
1988-1991 
米国パサデナにある米国地質調査所(USGS) 地震研究員。南カリフォルニア・ネットワークの短期の地震波データをもとに、波 形の中での震源過程 と伝播効果の影響を分離させることに研究の主眼をおいた。小地震を、実験的Green functionとして用い、複雑な伝播形態や大地震の振動記録における観測点効果を取り除いた、震源過程に関する研究。マグニチュード3〜4の地震の断 層面の決定とスリップ分布を推定した。また地殻変動上,興味を引く地域で起きた小地震についても応力降下の分布を明らかにし、断層面の確定を実施。
広域アレイにおける、遠地地震波の絶対規模を解析し、site amplificationsおよび上部マントル構造による地震波のさまざまな形と規模を調査。
        
観測機器ネットワークに記録されるマグニチュード3〜5の地震について、日常的に利用できるマグニチュードの自動計算法を開発、実施。ネットワークのデー タから抽出したsynthetic Wood-Anderson records を用いた。

短周期観測ネットワークに記録された衝撃波の到着時刻から超音速航空機の軌道を計算するコンピュータ・プログラムを開発。

1991  
USGS勤務。フィリピン・クラーク空軍基地ピナツボ火山観測所 火山危機援助チーム。噴火の最盛期に地震活動の解析および解釈 を支援。観測機器の再設置を調整。大噴火からの1ヶ月間、地震活動の解析・解釈を監督。地震噴火に関する情報と解説を、USGS、フィリ ピンの科学者、両国政府の担当者に提供し、テレビ・ラジオ,新聞等マスコミでも解説を行う。三次元における地震データの速度構造の3次元インバージョンを 行うことで、大きなマグマ溜まりの位置と、より高解像度で地震発生位置を 明示。


1992-1998

米国地質調査所(USGS) パサデナ研究所 南カリフォルニア地域コーディネーター

南カリフォルニアのNEHRPプログラムの監督およびUSGSにおける内外の地震研究プログラムの調整。南カリフォルニアでの内外の地震研究プ ロジェクト用の基金集めのため再調査委員会を組織。
南カリフォルニア地震センター(SCEC) 理事、運営委員。USGSと、SCECおよびカリフォルニア工科大学での 地震観測・研究活動を調整。カリフォルニア工科大学 の金森博雄教授とともに、USGS側代表として、南カリフォルニアの地震観測ネットワークを強化するTriNetプロジェクトを指揮。この計画は南カリフォルニア地震観測網として 220ヵ所の観測基地を設け、早く正確な地震情報を、政府、マスコミ、国民に提供し、この地で起きた地震活動に対応するものである。

1994年1月17日に起きたノースリッジ地震に際し、地震 発生直後から地震学,測地学,地質学面からの調査を調整しながら、USGSとしての対応を指揮。地震発生後の研究にあてられるFEMA(連邦非常事態処理 機関)からの補助金の管理と運営にあたる。南カリフォルニアにおける強震記録の改善と観測ネットワークの強化のために受けたノースリッジ補助金の配分およ び実行を監督する諮問委員会の委員長を務める。

研究の主眼は引き続き震源過程の詳細資料となる短期間の広域波データにおき、ランダース地震とノースリッジ地震の始まりが大地震に発展していっ た経 過等を対象とした。1992年に起きたジョシュア・トゥリー地震の前震の破壊の空間的広がりと、それに続いた本震との関連を調査。地殻構造が,強震の規模 に及ぼす影響を調べ、モハーヴェ砂漠の構造が、 直接S波より大きな振幅をもつS波のMoho reflectionを引き起こしたケースを例示。


1999-2005.3
        京都大学 防災研究所 地震予知研究センター 教授

2005.4-

        京都大学防災研究所 地震防災研究部門 教授 (防災研究所改組にともなう)